3月11日。あれから11年。
2019年春に訪ねた陸前高田と気仙沼のことを思い出す。
決して忘れることはない、あの景色、空気の匂い。
いろいろな思いを昨年、ブログに綴った。2011年の当日のこと、教員だった私が、もし、東北のあの津波の被害にあった学校に勤務していたらどんな行動がとれたのだろうかとか、陸前高田や気仙沼に行った時の思いなど。
もし、お時間が許されるなら、ぜひ、目を通してもらえると嬉しい。
今年も、あの時間、東北に向かい、祈った。
私には何ができるのだろうかと考える日々。
コロナが去ったら、きっとまた東北に行こうと思う。
「花は咲く」を弾きました。
東北を訪れる前から歌ったり弾いたりしていた曲だけれど、あの土地を実際に踏んだ前と後とでは、この歌から見える景色が変わった。
真っ白な雪道に 春風香る
私はなつかしい あの街を思い出す
叶えたい夢もあった 変わりたい自分もいた
今はただ なつかしい あの人を思い出す
・・・・
歌詞も伝えたいから弾き語ろうかと思っていたのだけれど、どうしても途中で歌えなくなる。
「叶えたい夢もあった 変わりたい自分もいた」
この歌詞のところで、込み上げるものがあって、それ以降が歌えなくなる。
あの何も無くなった、ただただ平らになった景色が浮かんでくる。陸前高田の一本松や気仙沼の伝承館で観た被災直後の卒業式の学生たちの映像が浮かんでくるの。
あの大津波は、一瞬にして、人々の夢と希望を奪い去っていったのだと。「叶えたい夢や変わりたいと前を向いて歩き始めようとしていた心」を奪って持っていってしまったんだなと。
それでも、生き残った人たちは、今日まで歯を食いしばって歩んできたことを思うと、喉の奥の方がぐぐっと痛くなる。
でも、あの時、行ってよかった。
行かないとわからなかった。
また絶対に行くから。
私は、決して忘れないから。
発酵翻訳家としまして、最後に発酵関連のお話を。
今日は福島の地酒をいただきました。
福島の奥の松酒造は、創業300年を超える老舗の酒蔵です。震災で、大きなダメージと風評被害を受けながらも、地道な取り組みで耐え抜き、伝統を絶やすことなく今に至っています。
今回、こちらのお酒は初めて口にしました。特別純米酒。
純米らしいまろやかさと、吟醸のような梨を思わせるフルーティな香りのバランスがとてもよく、思わず「美味しい」と独りごちました。私好みのお酒です。コスパも良いのでリピ買い決定!
ちなみに、吟醸のような梨を思わせるフルーティな香り・・・これは、酵母(酵母菌)が出す香りです。どんな香りの酒にしたいかで杜氏が使用する酵母を決めて添加します(蔵付き酵母は別として)。
福島のくるみゆべしと仙台の笹かまの天ぷらと一緒に。
発酵研究家/発酵翻訳家/発酵料理人:土方夕暉(札幌)~発酵への探究心と発酵愛は北海道No.1!と自負(^^)/