発酵オタク・菌オタクの私は,何を見ても発酵や菌と結びつけて考えるクセがあります。
このコーナーは,私,土方が日常のなにげないところでみつけた発酵や菌をテーマに,私の脳内で広がった発酵&菌ワールドを文字におこしたものであります(けっこう自己満足のマニアックな話になることも多々です)。
今回は,オペラを観ているのに,18世紀のオーストリアの菓子「ヴィーナスの〇〇」が気になって仕方がなかったという話。
土曜日に,札幌文化芸術劇場hitaruでオペラ「魔笛(モーツァルト)」を観てきました!! 2年ぶりのhitaruでしたよ(涙)。2年ぶりの観劇ですよ(涙)!!!
コロナのせいよ。ずいぶんと我慢したわ~。
今回の「魔笛」のチケットを購入するときも,札幌のコロナ感染者が多いようなら観に行くのは諦める覚悟で祈りながら購入。
行く行かないの判断は,前日にしようと。で,運命の前日11月5日,札幌の感染者は,な,な,なんと0人!!!1年4ヶ月ぶりの0人だったの~!!
昔から強運持ってるのよね~!!!
そして,自分が外出して楽しもうと思っている日も,晴れるしね~!
当日は,ゆっくりとオペラが始まる前の時間を楽しむつもりで,今年最後の札幌の紅葉を鑑賞しようと思ってたのね。
はい,11月6日,快晴!!
中島公演を散歩してイチョウを鑑賞。札幌コンサートホールkitaraが少しだけ写ってますね。出た側としてもいろいろと思い出のあるホール。大きなパイプオルガンのある立派なホールでございます。今日も何かのコンサートがあるようでしたよ。芸術の秋ですね♪
そして,晴れだからこその,このイチョウの黄金色!!
今回は,イチョウを観るだけにしておいて,銀杏(ぎんなん)は,また今度拾いに来よう!!
銀杏(ぎんなん)の果実を取り除く方法はいろいろあるけれど,そのひとつに,土に埋めるというのがあるでしょ。これも,発酵菌(腐敗菌)の力を借りているのよね。ありがとう!菌たち!!
あまりに美しいので,ゆっくりしすぎて,hitaruに着いたのはギリギリ。
わくわく。2年ぶりの鑑賞(観劇)~!!
2年前は,もう,ダントツでいちばん好きなミュージカル「レ・ミゼラブル」を観に来たの!!好きすぎて,2日連続で行ったのよね~。最初のオケの音が鳴るだけで号泣するくらい好き。
まさか,ここから2年も,hitaruに来られないなんて,そのときは思ってもみなかったな。
さてさて,今回の「モーツァルト魔笛」ですが,宮本亜門さんの演出でした。
舞台は,現代チック?な雰囲気なのですが,モーツァルトの音楽を聴いていると(オケは,札幌交響楽団。歌は,東京二期会),私の大好き映画5本の指に入る「アマデウス」の映像が頭に浮かんでくるのね。その当時の景色がぱぁ~っと広がり,目の前の舞台とリンクする。で,突然,頭の中に,「ヴィーナスの乳首」が浮かんできてしまいました。
ヴィーナスの乳首!?
「ヴィーナスの乳首」とは,映画「アマデウス」でサリエリがモーツァルトの妻にすすめたお菓子なのね。妻コンスタンツェがとっても美味しそうな顔でそれを頬張るのがかわいかったな。
見た目は,おっぱいのかたちなの。うふっ。かわいいお菓子なのよ♡
・・・と言っても想像できないと思うので,見た目だけ再現します!↓たまたまいただいたブールドネージュがあったので笑(ごめん!!ちゃんとレーズンだけ先に食べて,ブールドネージュは美味しくいただきましたから!許してっ!)
オペラ観てるのにね・・・頭の中は,おっぱい!!いやね,全編ドイツ語だから字幕があるんだけど,目がかすんできて,文字がよく見えなくて・・・,だから疲れてときどき目をつぶるの。すると,「あれは,どんな味のお菓子だ?」「たぶんチョコレートだよね。」「あの時代に,チョコレートあったのかあ。」「うん,まあ,あったよね。」と,どんどん脳が活性してきて・・・。
そして,とうとう・・・「チョコレートって発酵させてつくるよね」
「・・・発酵!!!」
頭の中の発酵スイッチが入ってしまった!
「チョコレートの発酵って主に2つの発酵だよね。最後は空気を送り込むという記憶があるから酢酸発酵で間違いない。
だけど,その前は嫌気性の発酵だよね。乳酸発酵?アルコール発酵?どっちだっけ?バナナの葉で包むから・・・えっとどっちだ?
バナナの葉にはどっちの菌もいそうだなあ。でも,バナナ放置したらお酒できそうだからアルコール発酵かな?
うん,きっとそう!
よし,これ以上考えても答えは出ないから,オペラ観ようっと。」
そして,帰ってきて答え合わせ。
昔の自分のブログより抜粋↓(興味のない方はとばしてね!)
チョコレートは,あまり知られていないかもしれませんが,発酵の力を借りて作られています。だいたい,チョコレートの原料って,カカオ豆になった状態(アーモンドみたいな見た目の状態)で輸入されるのだけれども,その前の工程に発酵があるのです。カカオの実って見たことあります?カカオの実を割ると,カカオ豆(種子)が白いトゥルンとした果肉(カカオパルプ)に包まれた状態でたくさん入っているのね。チョコレートの原料としてほしいのは,カカオ豆だけだから,この果肉(カカオパルプ)を取り除く作業をしなければならないの。そこで,微生物に頑張ってもらうわけですよ。まずは,木箱に入れる,もしくは,バナナの葉で包み,発酵を促す。ここでの発酵は,酵母菌によるアルコール発酵ね。そして,そのあとかき混ぜて空気を送り込み,空気好きの酢酸菌を働かせて酢酸発酵をさせるの。発酵過程で,果肉(カカオパルプ)が無くなっていくと同時に,カカオ豆の成分も発酵によって変化して,よい香りのカカオ豆になるのであります。
一度は,発酵に頭がいってしまったけれど・・・(ごめんなさい),
モーツァルトのすばらしい音楽を3時間もず~っと聴くことができて,上質な幸せな時間でした。もう一度映画の「アマデウス」観たくなっちゃった。
そして,そして,「ヴィーナスの乳首」のレシピをみつけました!!!だから,近日中に作ろうと思います!!
発酵研究家/発酵翻訳家/発酵料理人:土方夕暉(札幌)~発酵への探究心と発酵愛は北海道No.1!と自負(^^)/