毎日発酵生活~本日は「バルサミコ酢」

バルサミコ酢

さて,このどこに,発酵が隠れているでしょうか?

バルサミコ酢 ワインビネガー

モデナ

コーヒー!? 半分正解です。コーヒーチェリーの果実を豆から取り除くのに酵素や発酵菌たちの力を借りることも・・・。その話は,またあらためてしますね。

実は,このケーキの中に発酵食品が含まれています。底のタルト生地の上の赤い部分,この赤さはバルサミコ酢の赤さです。

タルト生地の土台の上にはバルサミコ酢のジュレが

バルサミコ酢ってブドウから作られるお酢ですよね。

ワインビネガーもブドウを原料としたお酢です。では,ワインビネガーとバルサミコ酢の違いはわかりますか?

ワインビネガー(ブドウ酢)は・・・ブドウ果汁に酵母菌が入りアルコール発酵したらワインに。そのワインに酢酸菌が入って酢酸発酵したらワインビネガー(ブドウ酢)になります。

ちなみに・・・

リンゴ酢は・・・リンゴ果汁に酵母菌が入りアルコール発酵したらシードルに。そのシードルに酢酸菌が入って酢酸発酵したらリンゴ酢になります。

米酢は・・・米を麹菌の酵素の働きでドロドロにした液体に酵母菌が入りアルコール発酵したら日本酒に。その日本酒に酢酸菌が入って酢酸発酵したら米酢になります。

なぜこんな寄り道をしたかというと,どの酢もその前身は,お酒だということを言いたかっただけです。

話は戻ります。ワインビネガーは,ワインになったものに酢酸菌を入れて酢酸発酵させて酢にしたものです。

では,バルサミコ酢はというとワインビネガーの一種とも言えますが,違いは・・・ブドウ果汁をまず煮詰めます。それだけでまず糖度が上がり,味も濃縮されることが想像できますね。その煮詰めた果汁に酵母菌と酢酸菌の両方が入り,いっぺんにアルコール発酵と酢酸発酵がおこります。これで終わりではありません。その汁はその後,木樽で長期熟成されます。長い時間をかけて熟成が進んで旨味が増し,更に水分が少しずつ蒸発するので濃度も上がりますね。ウイスキーで言えば,エンジェルシェア(天使の分け前)といったところでしょうか。

本当のバルサミコ酢は厳格な基準をクリアしたものだけを指します。私たちがスーパーで手に入るバルサミコ酢は,バルサミコ酢もどきのものです。それでも,美味しいですよね。バルサミコ酢は,ドレッシングやステーキソースに使ったりするとコクが増し,グンと料理の質がアップします。バニラアイスクリームにかけて食べるのも大人のみぞしる魅惑の味わいでクセになります。

バルサミコ酢 ワインビネガー 酢酸菌 札幌

イタリアで購入した心ときめくボトルのバルサミコ酢

これ↑は,2年ほど前に,本場イタリアで購入したものです(ちなみに,バルサミコはイタリア語で「芳香がある」という意味です)。ミラノの食材屋さんで,あまりのこのボトルのかわいさに惹かれて,内容量にしてはちょっとお高めでしたが買ってしまいました(写真で見るより,実物はもっと細くて華奢です)。

イタリアに行かないと買えないと思うとなかなか開けられない・・・。ちなみにこの瓶に明記してある賞味期限は,2022年7月です。しかし,過ぎても酢は腐ることはありません。みなさんのお家にあるお酢も賞味期限が過ぎていても,大丈夫ですよ。酢は酸性度が強いので,そのような環境では雑菌が繁殖できないため,腐敗しないのです。それが美味しいか美味しくないかは別としての話ですが。

バルサミコ酢は100年寝かすものも存在するのです。はたして我が家のバルサミコ酢が100年経過して美味しいかどうかはわかりませんが・・・。私は,たぶん確認できないと思う・・・たぶん!?