いちごショートを作ろうと思い,スポンジ(ジェノワーズ~共立て)を焼きました。
いちごショートなどのホールケーキは,焼いたスポンジを約2㎝くらいの高さにスライスして,そのうち2枚を使います↓(今回作ったいちごケーキは撮影する前に食べました笑)。
1つのスポンジから3枚とれるので,1枚余ります。
そこで,たいてい,家にあるもので,もう一つ簡単なケーキを作ります。
今回は,コレ↓
パイナップルのヨーグルトケーキ。
見ての通り,表面が余り固まらず・・・。私としたことがうっかりしておりました笑笑。
パイナップルのタンパク質分解酵素をナメてはいけない!!
こちらのケーキは,ヨーグルトや生クリームをゼラチンで固めるのですが,いつもレモン汁を入れています。レモンのような強い酸は,ゼラチンを固まりにくくするのですが,しょっちゅうつくっていて,いつも通りつくればこのレシピでは固まるのはわかっているので,そこは心配していませんでした。
が,つくっていて途中で気付きました!今日の心配はレモンでなくパイナップルだ~!!!
時すでに遅しでパイナップルを細かく刻み,ヨーグルトの中にゼラチンと一緒に入れてしまっていた!!ふだんパイナップルのゼリーを作ったことがなかったので,うっかりしておりました!!
でも,わかります,このままではきっと固まらないということを。
理由:
パイナップルには,ブロメラインというタンパク質分解酵素がたっぷり含まれています。だから,パイナップル果汁にお肉をつけておくとお肉が柔らかくなるし,素手でパイナップルを切っていると手の皮膚が溶けてぬめぬめしてくるし(洗濯洗剤もそうでしょ!理由は同じ),パイナップルスムージーを飲むと私は少し喉がイガイガしたりします(これはアレルギー的なものも関係しますが)。
それくらい,パイナップルの酵素は強いのです。
そして,ゼラチンというのは,そう,タンパク質です。ですから,パイナップルと出会わせてはいけないのです!「パイナップルの酵素がゼラチンを分解して固める能力を失わせてしまう」のです。
で,私のヨーグルトムース・・・パイナップルとゼラチンを出会わせてしまった・・・。これは,冷やしたところで固まらないだろうと予想できるので,仕方ない・・・ヨーグルトごと一度加熱しましたよ。加熱して,酵素を失活させました。これにより,残念ながらヨーグルトの乳酸菌・ビフィズス菌も死にました・・・(でもまあ,腸にとって生きていても死んでいてもあまり関係ないからいいんです)。そして,もう一度新たなゼラチンを加えました。
一番上のパイナップルは,実は,もう敷き詰めておりました(上下,逆さにしてつくります)。本当は,その敷き詰めていたパイナップルも一度,レンジでチンして酵素を失活させればよいのですが,面倒になり,えいやっ!とヨーグルトなどの液を流し込みました。一番上は固まらなくても,中が固まればなんとかなるかなとね。これは自分と家族しか食べないから,見た目は気にしないわ。
見ての通り,やはり,表面固まってないね。すごいでしょ!パイナップルの酵素パワー! 中のほうは,酵素を失活させたので,ちゃんと固まったため,形はなんとか維持できています。
味は,まあまあでした!ゼラチン(コラーゲン)多めで,生のパイナップルのビタミンCも摂取!コラーゲンとビタミンCの相乗効果でうふふです♡ まあ,コラーゲンを摂取したからといって私のお肌のコラーゲンに直接ならないことは承知しつつも。
酵素・・・
さて,発酵の話を何もしておりませんが,酵素というのは,発酵の話でよく出てきます。
日本の発酵食品は,味噌も醤油も酢もみりんも日本酒も麹を使います。この場合,私たちは,麹の中の麹菌を利用したいのではありません。麹菌が出す酵素が必要なのです。酵素を利用するために麹を使うのです。
麹には,タンパク質分解酵素や炭水化物分解酵素をはじめ,100種類以上の酵素が含まれていると言われています。
これから麹の酵素の話をしはじめると私は止まらなくなるので,今日はここまでにしておきます笑。
発酵研究家/発酵翻訳家/発酵料理人:土方夕暉(札幌)~発酵への探究心と発酵愛は北海道No.1!と自負(^^)/