昨日の残り物のボルシチです。
ボルシチはロシアの代表的家庭料理。この赤さはそう,ビーツ由来のものです。
ボルシチの上にのせるのは,サワークリームです。サワークリームは自家製です。
パン・ド・カンパーニュは,私のNo.1ブーランジェリーで購入のものです。とてもかわいらしい女性が丹精込めてつくっていて,どれも本当に美味しいの。これは,レーズン由来の天然酵母でつくられているとのこと。日本のふわふわパンもおやつとしては好きだけれど,私は,バゲットとか,こういう密度の濃いしっかりとしたパンのほうが好みです。噛めば噛むほど味わいが出てきます。
大量生産されるパンは,イーストを使っています。そして,よく間違われるのが,天然酵母とイーストは別物と考えておられる方がいて,イーストでつくられたパンより天然酵母でつくられたパンのほうが身体によいと思い違いをしている方がけっこうおられるということです。はっきり言って,それは間違いです。まず,酵母(日本語)=イースト(英語)です。そして,天然酵母に対して,大量生産に使われるほうをイーストと英語でなぜか呼びますが,このイーストも別に,人工的・科学的な物質を混ぜ込まれているとかいう悪いものではありません。安定して発酵できるように,より効率的に二酸化炭素を出してくれるような酵母菌を培養してつくられたものですので,無害です。それに対して,天然酵母は,自分で酵母菌を育てるわけですから,安定しません。酵母菌といっしょにどこからともなくあらわれる乳酸菌もまざったりしますので,だいたい,天然酵母でつくられたパンには,酸味があります(乳酸菌は乳酸という酸を出すから)。1種類の酵母菌でなく,いろいろな菌が混ざって発酵するので,より複雑な味や風味になるわけです。そこに美味しさを感じるわけですよ。ここは好き嫌いが分かれるところです。小さなお子さんは,酸っぱい天然酵母パンは嫌いかもしれません。私は,好きです!! ボストンベイクのクリームパンも大好きだけどね(笑),それはそれですよ。
そしてね,こういうパンってすぐにカビるの。美味しいから人間だけじゃなく,他のいろんな菌たちも食べたがっているのね。スーパーで買うパンは,いつまでもカビないけどね・・・怖い。でも買っちゃうのよね,羊羹パンだけは(笑)。だって小洒落たブーランジェリーにぜったい売ってないもん(笑)。
デザートには,自家製ヨーグルト。ベリー色に染まっちゃって見えないけれど。ブルーベリーは,昨日購入のものです。
ヨーグルトも,冒頭で触れたサワークリームも,牛乳を乳酸発酵してつくります。
ざっくり言いますと違いは脂肪分です。
ヨーグルト(➀)<クリームチーズ(②)<サワークリーム(③)となります。右にいくほど,脂肪分が高くなります。
まずは,材料の脂肪分の調整をしてから種菌(乳酸菌)を加えます。
➀ヨーグルトは,牛乳に種菌となるヨーグルトを加える
②クリームチーズは,牛乳と生クリーム半々くらいのものに種菌となるヨーグルトを加える
③サワークリームは,牛乳より生クリーム多めのものに種菌となるヨーグルトを加える
➀②③とも,乳酸菌の好きな40℃くらいにして数時間置くとトロトロになります。
➀ヨーグルトはそのままで完成。水切りするとギリシャヨーグルトになります。
②クリームチーズは水切りして食塩を加えて完成。
③サワークリームは水切りすれば完成。
という具合です。
自分でつくるクリームチーズやサワークリームは,乳酸菌が元気なので,日を置くと,どんどん旨味が増していきますよ。
そろそろ和食が恋しくなってきた・・・。