昨日は,余市のオチガビワイナリーでワインをもらってきました~という話をしましたが,今日は,その続きです。
余市まで行ったのならハズせないのが,「ニッカウヰスキー余市蒸留所」見学です。毎年恒例行事のように行っていたのですが,コロナ禍により,2年ぶりです。今回は,ランチ付きの見学メニューに申し込みをしておきました。なぜ,ランチ付きにしたのか,それはですね,ランチが目的なのではなく,発酵マニアであり,酒講座などもしている私としましては,レアなウイスキーが飲めるということに魅力を感じたからなのであります。
現在販売されているものは,すべてノンエイジ
現在販売されているニッカのウイスキーはすべて,ノンエイジのものになってしまいました。ウイスキー人気で需要に供給が追いつかなくなっていることが理由なのでしょう。でも,今回は,「竹鶴17年」と「余市10年」が飲めます!!我が家には,「竹鶴」と「余市」両方保有しておりますが(「宮城峡」もありますよ),どちらもノンエイジですから,やはり,年代物飲んでみたい。そこの話になると発酵はもう関係なくなってくるのですが,熟成という時間を経過したものがどのような変化をもたらすのか味わっておきたい!!いや,多分,ススキノのニッカバーとかでね飲んでいるのよ。でも,ニッカバーに向かう時間って,1次会・2次会後とかだから,はっきり言ってもう味なんて覚えられないのよ~~~!!!
蒸留所内の見学
まずは,蒸留所内見学・・・もう,私が代わりに案内できるくらい来ているんだけれど,でもね,楽しいの。あ,ちなみに,ビール・ワイン・日本酒などの醸造酒をつくっているところは,醸造所といいますが,ウイスキー・ジン・ウォッカ・焼酎などの蒸留酒をつくっているところは蒸留所というのね。酒づくりの工程において,最初に発酵の工程があるのは,どちらも同じなのですが,ウイスキーなどのほうは,アルコール度数を上げる蒸留(醸造した酒を熱して,アルコール分だけを集める)という工程が加わります。
1キルン棟
2階に麦芽を敷き詰めて,1階でピートを燃やし,スモーキー臭を麦芽にうつします。ピートとは泥炭です。この建物は,現在も使用可能だそうですよ(実際,販売しているウイスキーの製造には,どんな風に燻すのかをオーダーして,燻煙済みの麦芽を購入して使用しているのだそうです)。

キルン棟(ニッカウヰスキー余市蒸留所)

これが,乾燥させたピート(ニッカウヰスキー余市蒸留所)
2粉砕
燻させた麦芽を粉砕
3糖化室
麦芽と温水を混ぜて,甘い麦汁をつくります。なぜ,甘くなるのか?麦茶パックに温水注いでも甘くならないよね。ふふふ・・・そこが面白いところなのですよ。ウイスキーもビールも原材料は,麦ではなくて,麦芽!!麦から芽が出たもの。麦が芽を出すときに,酵素がはたらき,その酵素が麦の主成分であるデンプンを分解するから甘くなるのです。なぜなら,デンプンってブドウ糖がたくさんくっついたものだからであります。ブドウ糖がたくさんくっついたものを酵素というハサミでジョキジョキ切るから,ブドウ糖や麦芽糖(ブドウ糖が2つくっついたもの)になり,甘さを感じられるものになるのです。温水を加えることによって,その酵素が更に活発に働いて,どんどん甘くなっていきます。なぜ,麦汁を甘くする必要があるのか?その答えは,次に投入する酵母菌が甘党だからです!!
甘くなった麦汁は絞り,残った麦芽かすは,近くの牧場で飼料として利用されるそうです。
4発酵タンク室

ニッカウヰスキー 余市蒸留所
甘い麦汁に酵母菌を投入します。ついに発酵!!です。
酵母菌が糖をエサにして,アルコールと二酸化炭素を出します。ここで,麦汁が酒に変わるわけですね。ここにホップも入っていたら,ビールだ!!
ここでつくられたものをもろみと呼びます。
ここ余市は,春と秋にしか作業はしないそうですよ。その季節の温度が発酵にちょうど良い温度だからですね。
5蒸留棟
もろみを熱して蒸留し,アルコール度数を高めます。アルコール度数は,1回目の蒸留で20度くらい,2回目の蒸留で60度ちょっとくらい(64度だったかな)になるそうです(確かね・・・)。ここでの熱し方は,石炭による直火です。余市のウイスキーの特徴がスモーキーフレーバーなのは,最初のピートでの燻煙とこの石炭での直火での蒸留でつくり出されます。ここは,日本で石炭を使って蒸留している唯一の場所です。春・夏には,実際に石炭をくべている様子を見ることができますよ。

ニッカウヰスキー 余市蒸留所
6熟成
樽に詰めらた透明の原酒は,ここで,長期熟成に入ります。樽の木のタンニンなどの色が移り,琥珀色の液体へと変わっていきます。
この余市の風土が,ウイスキーをゆっくりとつくっていきます。

貯蔵庫(ニッカウヰスキー 余市蒸留所)

貯蔵庫内(ニッカウヰスキー余市蒸留所)

貯蔵庫(ニッカウヰスキー余市蒸留所) 実は,かなりの奥行きがあるのですよ。現在もこの貯蔵庫,使用されています!!
さてさて,見学はここまでです。他に人がいないので,マンツーマンでいろいろ教えてもらうことができました。質問もたくさんできて,ガイドの方も,本当にプロにフェッショナルで何でも答えてくれて,とても勉強になり,楽しかったです。ありがとうございました。
テイスティング 竹鶴17年&余市10年
続いては,レストランでランチです。コロナ禍でない通常時は,見学後は無料試飲タイムとなるのですよ。みなさん,けっこうそれを楽しみにしてここに来ますよね。でも,今は,無料試飲は全面中止です。
私たちは,事前にウイスキー付のランチコースを予約していたので,飲めるわけです。私たちは,と言いましたが,相棒は運転なので,飲むのは私だけですが・・・申し訳ないっ!!(ランチは付かない見学コースのみの予約の人は,別の場所で2杯までの有料試飲ができます。私は,ここですでに飲むので,追加の試飲はできません。感染対策がしっかりされていますね。酔っ払いをつくらないシステムになっています)。

左から スーパーニッカ 竹鶴ピュアモルト17年(終売品) シングルモルト余市10年(終売品) (ニッカウヰスキー余市蒸留所 レストラン)
じっくり味わいました~!!どんな味?え,この紙見て!!↑↑↑(笑)

ジャガイモのビシソワーズ スカンピ 鮭のエスカベッシュ(ニッカウヰスキー余市蒸留所 レストラン)

桜鶏姫のソテー コンソメスープ(ニッカウヰスキー余市蒸留所 レストラン)

ブリュレ風チーズケーキ(ニッカウヰスキー余市蒸留所 レストラン)
どれも,とっても美味しかったです。

めっちゃ考えながら味わう!!(ニッカウヰスキー 余市蒸留所)
気持ちよい~!!!暑いけど。

誰もいない~。このあとの時間帯の見学コースには大勢いたみたいなので,私はラッキーでした!!(ニッカウヰスキー 余市蒸留所)

ニッカウヰスキー 余市蒸留所
しっかり勉強もできて,美味しいランチと貴重なウイスキーも飲めて,幸せな時間でした。
来年も来ますよ。きっとまた新たな発見があるはず!!
あ!!ここは,8月2日から「まん延防止等重点措置法」に基づき,全面見学中止です。レストランも営業していませんのであしからず。