昨日は,手作り食パンの話をしましたが,今日は,フランスパンのお話。
フランスパンは,パリ発祥で,小麦粉・塩・水・イーストでつくられるパンの総称です。種類としては,いちばん知名度が高いバゲットの他に,バタールや丸形のブール,カンパーニュなどがあります。
ピンチ!!酵母菌のエサがない!!
上記の通り,基本の材料は非常にシンプル。でも,実はこれだけだと膨らみにくいのです。なぜなら,酵母菌のエサになる糖がないからです(食パンの場合は砂糖を入れるので,酵母菌はそれをエサにして二酸化炭素を放出してくれるという話は昨日しました)。
いや,実は小麦粉の中に糖はたくさんあるはあるのですが・・・,小麦粉の中にはブドウ糖がつながっている状態で存在しています。ブドウ糖がつながっている状態とは,そう,デンプンの状態です。このデンプンの状態のままですと,大きいので酵母菌はエサとして食べることができません。でも,小麦粉の中にはハサミのような役割をしてくれる酵素が少しだけ存在しているので,その酵素が働いて,デンプンを分解し,少しの糖はつくりだしてはくれています。でも,そう,ほんの少しです。
救世主モルト!!
だからといって,砂糖を入れたりはしませんよ。フランス人は,毎日食べるパンにそんな甘いふわふわを求めてはいません。そこでです。今は,フランスパン作りに,モルトパウダーやモルトエキスを加えることが多いです。モルトとは,麦芽のことです。麦からちょっとだけ芽がでたもの,それが麦芽です。種子(麦)というのは,芽を出すときに,種子内のデンプンを栄養として使うために酵素が働きはじめます。種子内のデンプンを酵素がジョキジョキ切って糖に変えているのです。だから,芽を出し始めた種子(麦芽)には酵素があるということになります。
パンの生地作りでは,酵素を持っている麦芽(モルト)が小麦粉と出会うことにより,小麦粉のデンプンもジョキジョキ切って糖に変えてくれるわけです。これで酵母菌のエサができました!!ここからは,膨らむ仕組みは食パンと同じ(昨日のブログ参照)です。
昨日は,食パンを作り,そちらを食べていたので,購入していたバゲットが,袋の中でいじけてしんなりとしてしまいました(笑)。
今日のランチ
ですから,今日は,それをフレンチトーストにしました。日本では,食パンを使う方が多いかもしれませんが,フランスではバゲットやブリオッシュを使うのが一般的だとか。ちなみに,フレンチトーストのフレンチというのは,フランスとは関係ないようです。アメリカのフレンチさんという方が命名したらしい・・・ややこしい(笑)。
野菜や果物もたっぷりの栄養満点ランチです!!お肉は,チキンのランチョンミートです。珍しいですよね。ポークランチョンミートよりもヘルシーです。ランチョンミートは,野菜の炒め物などでもちょっと加えるだけでよい旨味を出してくれるので重宝します。でも1缶はいっぺんに使い切れないので,4~5等分にしてラップで包み,冷凍庫に常備しています。便利ですよ。
この中の発酵ものは・・・バゲットの他には,左の小さな白いココットの中の豆乳ヨーグルト。最近,ヨーグルトは牛乳でなく豆乳でつくっています。ヨーグルトは乳酸菌が乳の中の糖を食べて乳酸を出すことによって作られます。野菜には,上からパラッとパルメザンチーズを。チーズですので,こちらにも乳酸菌が含まれています。
立春から少し経過して,北海道もずいぶん日差しに明るさを感じるようになりました。ウキウキするランチとなりました。