これ,なんだかわかりますか?
富山の郷土料理です。
木の曲物(わっぱ)の中に笹が・・・。
最初の状態はこんな感じ↓。
木の蓋がされていて青竹で開かないようにおさえられています。
そして,蓋を開けて,笹をひらくとジャジャーン!!
オレンジ色の魚が・・・。
これ,鱒(ます)です。
そう,これは,富山名物「鱒の寿司」というものです。
鱒を酢で味付けした押し寿司の一種です。江戸時代に,前田利興(富山藩主)の家臣である吉村新八(富山藩士であり,料理人でもある)という人がつくった「鮎寿司」を八代将軍・徳川吉宗に献上したことから始まるとかなんとか・・・。献上したのは,鱒でなく鮎だがこのときの製法が,鱒寿司のルーツとなるようだ。
さて,これは,魚そのものを発酵させておらず,魚を酢で味付けしている「早すし」という部類に入る。酢で覆うことによって美味しいだけでないよさがある。それは,酢の抗菌・防腐作用である。これにより,魚を腐りにくくさせているのだ。また,笹の葉にも抗菌・防腐作用があるので,2重で魚を護ってくれているというわけだ。私が関西方面を旅行したときには,必ず空港で購入する柿の葉寿司も同じ原理で腐敗を防止している。昔ながらの知恵だ。
あ,ちなみに,酢というのは,酢酸菌がお酒の中の糖とアルコールをエサにして酢酸を出してくれることでできる。酢の前段階は,必ず酒なのだ!!ワインビネガーはワインからできるし,米酢は日本酒のようなものからできるし,リンゴ酢はシードルからできるし,モルトビネガーはビールのようなものからできる。世界各地,その土地でとれるもので酒をつくり,その酒から酢をつくってきたのだ。アメリカは,とうもろこしが採れるからバーボンウイスキーがあるし,ホワイトビネガーがつくられる。ヨーロッパは,ブドウからワインをつくり,そこからワインビネガーとなる。日本は,米文化だから,日本酒ができ,米酢ができる。というわけだ。面白いよね。(日本では,米酢よりも,今は,穀物酢(原料はとうもろこし,麦,米などのブレンド)のほうが,安価で流通量は多いけれどね。)
鱒の寿司,笹の葉の良い香りと酢のほどよい酸味,そしてもちろん鱒の旨味を堪能いたしました。
嬉しい頂き物でございました。ありがとうございます~!!感謝!!